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白い付箋

映画とか日常とか

【映画感想】LIFE!

映画

今週のお題「映画の夏」

過去の映画感想サルベージ。

夏季休暇を活用して旅がしたい…でもなんだかんだ踏み切れない…

そんな私の現状にも合う「LIFE!」という映画の感想です。

 

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「世界を見よう
危険でも立ち向かおう
壁の裏側を覗こう
もっと近づこう
もっとお互いを知ろう
そして感じよう
それがLIFE《人生》の目的だから」

映画「LIFE!」(監督・主演:ベン・スティラー 脚本:ジェームズ・サーバー) ― 「LIFE」誌 スローガン

 

セリフではないけど、やはりこれが重要だと思われるので
あのスローガンを引用。

他の方もおっしゃってましたが、
原題よりも邦題「LIFE!」のほうが内容的にしっくりきます。

この物語、オフィスと壮大な自然を行ったり来たりするのがいいんだよなあー
旅に出っぱなしだったらこんなにグッときていないかもしれません。

ウォルターが各地で出会う人たちそれぞれが個性的で
描かれていない、彼らの物語を感じさせるのがとてもいい。
合縁奇縁。

 

以下ネタバレ感想。

 

●物語のラスト、ウォルターの誤解がとけた場面でシェリルは「すごい想像力!」と言って微笑みます。
いままでさんざん、ウォルターの壮大かつ大胆な妄想シーンを見せられてきましたが、一様に「ぼんやりしている」ことに呆れられるだけだったのがようやくここで「妄想の内容についてツッコまれる」わけで。それも、大胆でありえないような空想ではなく、「好きな相手が元の相手とヨリを戻すという、日常的にありがちな」発想について。この構成がとても良いなあと思うのです。

 

●中盤、eハーモニーのスタッフであるテッドが「そばにいるなら直接デートに誘えば?」とアドバイスしているのもいい。はっきりいってテッドにとっては自社の得にならないというか損になりそうな発言なんですがだからこそこの一言から、彼が損得ではなく好奇心で行動する、イイ感じのヤツであることがわかります。

こういうキャラをeハーモニーのスタッフとして配置していることで
出会い系サイトという「縁」を否定していない感じがします。こういうのニクいですね。

 

ショーンに導かれるように旅立ち、飛行機の上で火山に向かっていく彼に目を奪われ、彼を探しつづけるウォルター。ウォルターの中には「ウォルターによるショーン像」が育っていったことと思いますが、はたして実際の彼は「大切なネガをずさんに扱うようなヤツ」でした。(これもまた切ないところ)

ショーンが思っていたウォルター像は
「贈り物に気づいてくれる」「ショーンの真意の理解者」
だったと思うのですが、実際はどうやら違っていたようで。

この、ネガ管理者としてのプロ意識と
孤高の写真家が起こした気まぐれ(と言っていいのか)のぶつかるさまも
「憧れ」の衣を脱ぎ捨てた二人の会話で、ぐっとくるんですよね
ショーンの思いがすっかり空振りしているのがせつないんですが…。

彼らのお互いへの信仰はここで終わり、
地に降りたユキヒョウはサッカーもするフツーの生き物。
あの夕日のシーンは美しすぎました。よくあんな少女漫画みたいな画撮ったな!
憧れの衣が剥がれても縁は続いているのだなあと感じる風景です。

妄想ばかりしていないで世界に飛び出しましょうよ
というのもテーマのひとつだと思われますが
けれど「相手のことを都合よく空想すること」を否定しないのが
この映画のよさであって
ヘリに飛び乗ることができた、あの瞬間に勇気をくれたシェリルの姿や歌は
空想上のものだったけれど、だから価値がないなんてそんなことはなく。

空想か現実かを問うことそのものにはなんら意味のない、とある想いの力。
そういったなにかを信仰と呼ぶのかもしれないなあと思います。

(2014年4月7日)